しぶり腹(テネスムス)
しぶり腹(テネスムス)とは
しぶり腹(テネスムス)は、強い便意が続くのに、実際には便がほとんど出ない、あるいは出ても少量にとどまる状態を指します。とくに直腸(肛門に近い大腸)の炎症や刺激で起こりやすく、腹痛やいきみ、残便感を伴うことがあります。
なお、「テネスムス」という言葉はまれに膀胱側(尿のしぶり)にも使われますが、ここでは直腸・肛門側(排便)のしぶり腹について解説します。
しぶり腹が続くときは、原因の確認が大切です。
「痔かな?」と思っていても、直腸の炎症や感染性腸炎、まれにポリープ・腫瘍が隠れていることがあります。
症状が続く場合は、消化器内科でご相談ください。
主な原因
しぶり腹の原因は1つとは限りません。以下のような病気・状態が背景にあることがあります。
- 直腸の炎症:潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患、放射線治療後の直腸炎 など
- 感染症:感染性腸炎(細菌・ウイルスなど)、寄生虫感染 など
- 肛門・直腸の病気:痔・裂肛、直腸ポリープ・腫瘍 など
- 機能異常:過敏性腸症候群(IBS)、便秘・硬便、骨盤底機能障害 など
- その他:手術や炎症後の瘢痕、神経の障害 など
受診の目安(こんなときは早めにご相談ください)
- 血便や黒色便がある
- 発熱・強い腹痛・嘔吐を伴う
- 症状が数日以上続く/繰り返す
- 体重減少、貧血症状(立ちくらみ・息切れ)を伴う
- 50歳以上で初めて出てきた/大腸がんや炎症性腸疾患の家族歴がある
※ふらつきや意識障害を伴う大量出血など緊急性が高い場合は119番を含め、至急の受診をご検討ください。
自宅での対処(一般的なこと)
- 脱水予防のために水分を少量ずつとる(電解質飲料を適宜)
- 刺激の強い飲食(アルコール、辛味、脂質過多)を控える
- 下痢止めや鎮痛薬の自己判断での多用は避ける(病状により不適切な場合があります)
しぶり腹は原因がさまざまです。改善しないときは無理をせず医療機関でご相談ください。
当院で行う可能性のある検査
- 便検査(便培養、便潜血、炎症マーカーなど)
- 血液検査(炎症・貧血の評価 など)
- 大腸カメラ(直腸~結腸の炎症・ポリープ・腫瘍の確認、必要時は生検)
しぶり腹は直腸に近い病気で起こることが多く、大腸カメラで原因を確認できる場合があります。
検査の適応は症状・年齢・基礎疾患などを踏まえて医師が総合的に判断します。
しぶり腹が続く方へ:大腸カメラで原因を確認できることがあります
しぶり腹の背景に、直腸の炎症・感染症・ポリープなどが隠れていることがあります。必要に応じて大腸カメラで粘膜を直接確認します。
※症状や内服薬によっては通常外来での評価をおすすめする場合があります。
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よくある質問(FAQ)
- Q. しぶり腹と「残便感」は同じですか?
- A. 重なることもありますが、しぶり腹は強い便意が続くのにほとんど出ないことが中心で、残便感は出たあとにすっきりしない感覚を指すことが多いです。
- Q. どの診療科を受診すればよいですか?
- A. まずは消化器内科へご相談ください。血便・発熱・強い腹痛を伴う場合は早めの受診をおすすめします。
- Q. しぶり腹は過敏性腸症候群(IBS)でも起こりますか?
- A. 起こることがあります。ただし感染症や炎症性腸疾患、ポリープなど別の原因の除外が重要です。
- Q. 市販薬で様子を見ても大丈夫ですか?
- A. 一時的に落ち着く場合もありますが、長引く・繰り返す・血が混じるときは自己判断に頼らず受診してください。
- Q. 大腸カメラは受けた方がいいですか?
- A. 症状の経過や年齢、血便や発熱の有無などによって判断します。とくに血便、症状が続く、50歳以上で初めてなどの場合は、大腸カメラで直腸~大腸の状態を確認することが役立つことがあります。
- Q. しぶり腹があると大腸がんの可能性がありますか?
- A. しぶり腹の原因は多く、必ずしも大腸がんを意味しません。ただ、まれに直腸のポリープや腫瘍が関係することもあるため、症状が続く場合は適切な検査で確認することが大切です。
- Q. 受診時に準備するものはありますか?
- A. 便の回数・性状(血の有無)、発熱、体重変化、服用中のお薬がわかるもの(お薬手帳など)があると診察がスムーズです。他院の検査結果があればお持ちください。
